第6章 ホラーナイト
「これさ、改名した方がいいよ。"造っちゃった映像"に」
「それな」
オレたちの毎年夏の恒例行事はこの心霊番組を見ることだ
だが生憎、オレもマイ幽霊やらなんやらを信じていない
"この後撮影者の姿を見たものは誰もいないという……"
「じゃあこの映像誰が撮ったんだよ」
「それ」
信じていない。だけど見たいというのが心霊番組
見たら見たらで文句を言うのに結局最後まで見てしまう
"ここはあるジムリーダーのスタジアム……"
映像が切り替わり見慣れた光景と聞きなれた声援が映る
「っ!?待ってこれウェルズスタジアムじゃ、、!?」
"そこでは熱気溢れる氷雪バトルが行われていた……
背後のスクリーンをご注目ください……
3
2
1"
一瞬だけスクリーンに映った女の顔
お決まりの白目にロングヘア
律儀に客席に座っているその様子は普段なら笑ってしまうだろうが、今は到底無理だろう
"もしかして…ジムリーダーさん……お友達に恨まれるような事しちゃったの……??"
「あ"ーッ!!嘘でしょっ!?もおおおお!!やだぁーッ!!」
「おい、落ち着けよ、こんなのスクリーンに映ったらとっくに話題になってんだろ」
必死にマイを宥めるが自分のジムということで半泣きになっていた
「オイ!第一お前!友達オレとジムリーダーの皆とソニアとダンデしか居ねぇだろ!!」
「あ……そうだった」
数える程しか居ないマイの友達には、映像に映ったような人物は居ない