第5章 雪のような白肌に
私の質問はお構い無しに2人はタンスやら引き出しやらをどんどん開けていく
「色のセンスはまぁまぁね!」
ハツラツとした雰囲気でスカート類が収納された引き出しを漁るソニアちゃんの隣ではルリナちゃんが真顔で下着やらなんやらを散らかしまくっていた
「マイ……アンタ最後にブティック行ったのいつ……??」
「え、えーと……は、半年位前……??」
2人は私の返事を聞くと雷が落ちたように硬直した
「モデルやってるんじゃなかったっけ……?」
「うん」
「結婚式とか……」
「私そんなに友好関係広くないよ」
淡々とした私の受け答えに2人は唖然としていたけど、やがて思い出したようにルリナちゃんが口を開いた
「で、でも化粧くらいは……」
「してるよっ、少しだけ……」
威圧感を含んだルリナちゃんの質問に少しだけ怯みながらも返答すると、ぱぁっと2人の表情が晴れやかになる
「メーカーはっ!?」
「どのくらい時間かけてるのっ!?」
怒涛の勢いでの質問攻めに驚きながらも1つずつ答えていく
「メーカーは…私のスポンサーの、、えーと……カイリューズピィ??ってとこのリップ……」
「……まさかリップだけ…??」
「え、あ、でも化粧水とかはつけるよ……?」
2人は今日何度目かも分からない溜息を吐いた
ソニアちゃんは眉を下げていて、ルリナちゃんは呆れた顔をしている
「明日予定ある?」
「無いよ」
「じゃあ明日迎えに来るから準備しておいて」
「うん、どこい…」
「じゃあまたね!!マイ!!」
「楽しみにしてるわ!」
私の質問には誰も答えぬまま、2人は颯爽と去っていった
部屋中に散乱した服を片付けながらある事を思い出す
「あ、キバナ……」