第17章 絶好のバトル
カガリが何かを口に出そうとしたその時だった。
彼の手持ちのボールが揺れ、中からポケモンがとびだした。
「あ、こらっ…お前たち…!」
「ぐぎゃう…」
「くるるるる……」
飛び出したポケモン達は、私とキバナに駆け寄り寂しそうに喉を鳴らしてスリスリと寄り添う。
初めて会った時は私の半分程しか高さがなかったリザードは今では立派リザードン。
キバ湖で出会ったミロカロスも、卵の時に捨てられていた所を拾ったバンギラスも、みんな進化して強くなった。
「みんな、、……元気でね…!!!」
「ぐるる…!!!」
「きゅううう」
ぎゅっとポケモン達を抱きしめて別れの挨拶をする。
名残惜しそうに離れたポケモン達は次々とボールに戻っていった。
「…無理しないでね。」
「はい。」
「辛くなったらいつでも戻ってきて。」
「はい。」
零れそうになる涙を堪えながら、私は言葉を紡いだ。
隣ではキバナが私を慰めるように背中を摩ってくれる。
本当は行って欲しくない、けど、カガリが成長するためには必要な事だから。
そう自分に無理矢理言いつけて、気持ちを押し殺す。
「、、師匠、いや、マイさん。」