第16章 シーソーコンビ
……あれ、なんか……
部屋に近づくに連れて美味しそうな匂いが…
えっ、なんでだろう、私部屋に置いてきたのドリンクとサンドウィッチだけだよね…、
もしかしてフブキとユキネかな?
この匂いは……グラタンの匂い!!
ホワイトソースの良い香り〜っ!!
「たっだいま〜っ!!……あれ?」
「あ、おかえり〜」
機嫌良くドアを開けた私が目にしたのは、ソファーに座るルリナちゃんと向かいのテーブルに置かれた2つの美味しそうなグラタンだった
……なんで、ルリナちゃんがここに??
スタジアムは??まだ営業中でしょ??
「なんで、いるの?」
「来ちゃった」
「いや、来ちゃった。じゃなくて。スタジアムは?どうやって来たの?何そのグラタン」
怒涛の勢いで質問すると、ルリナちゃんは困ったように笑ってから話し始めた
「スタジアムは変な二人が来たから臨時休業。タクシー使ってここまで来たのよ。グラタンはお土産。ほら、早く食べましょ?」
「う、うん。」
何となく態とらしい笑顔に若干の不信感を抱きながらも、ルリナちゃんとは向かいのソファーに座って私達はグラタンを食べ始めた。