第14章 祝賀会
キバナside
こういう時のマイは、本当に心を読むのが上手い。
優しい紫の瞳はオレの心を簡単に見透かす
その優しさに縋るように、衝動的に彼女に抱きつくと彼女はオレを拒まずに背中を撫でる
正直、祝賀会なんて行きたくない
オレが何年も追い続けたダンデをアイツはたった1度きりの場で打ち倒してしまった。
ネット掲示板で新チャンプは賞賛される一方、オレは弱いのではないかと囁かれた。
考えてみればそうだ。
マイには一回も勝ったこと無いし、ダイマックスを使わないネズにだって何度も負けている。
オレはダンデを追うあまり、周りが見えていなかったのだと今回で痛感した
「ごめんな、」
気づけばそう声に出していた。
自分でも分かるくらい情けなくて弱々しい声
けれど彼女は優しく微笑んで、何言ってるの、と言葉を返した
「何言ってるの、無理して笑う必要なんて無いよ。自然体のキバナで居て?」
「マイ……」
彼女のその言葉に視界が僅かに霞む。
ああ、やっぱりオレをわかってるのはマイだけだ。
やっぱり、やっぱりオレはマイじゃなきゃダメだ、