第14章 祝賀会
しばらくキバナを抱きとめていただろうか。
ふと彼は顔を上げて、にこやかに笑った
「行こーぜ」
「うん」
その笑顔は作り物なんかじゃなくて、嬉しい時に出るような、自然な笑顔だった。
煌びやかな装飾が一面に広がる会場に着くと、私たちはそれぞれの友人に呼ばれ離れていく
「マイ〜」
「ルリナちゃん」
水色のマーメイドドレス姿の彼女はとても綺麗で、流石モデルと言ったところ。
綺麗だね、と声をかけると貴方もすごく綺麗と返される
4人がけのテーブル席に座ると、向かいの2人もやってきて席に着いた。
「よお、久しぶりだな。マイ」
「さっき離れたばっかりでしょ」
向かいに座ったのはキバナとネズ
よく喋る3人と一緒の席。私的には無問題
「ネズが来るなんて珍しいね。開会式は参加しないのに」
「アレは人が多すぎます。何となく緊張するんだよ、ああいうのは」
それに、アイツの事は気に入ってますからね。とネズが言葉を続けた
ネズが気に入った……!?
やっぱりなにか持っているんだろうか、あの子は。
愛されキャラというか、大人に恵まれているというか。
近状報告も兼ねて話をしていると、ステージのライトが付き、会場の電気が消された