第13章 真のチャンピオン
私たちが訪れたのはウェルズタウンの一角にある居酒屋
ここのカレーは一際美味しいのでよく来ている
「なあ、あれキバナじゃねえ?」
「本当だ、隣は……秘書?」
いやいや、私ですよ。私。
いくら私服だからって、それくらい見抜いてよ
私の今の服装はタートルネックのロングセーターとロングブーツ
髪は軽くまとめてあるくらい。
「なあ、これ美味そうじゃね?」
「ん?どれ?」
キバナとの会話に集中しようとしても、やっぱりあの2人の会話が気になってしまう
「俺写真お願いしようかな……」
「でもプライベートだろ?失礼じゃないか?」
全然大丈夫だよ、むしろどんどん来て〜!!
その方がキバナが喜ぶよ〜っ!!
「俺、行ってくる」
「は?じゃあ俺も」
後ろのテーブル席の彼らはカウンター席に座る私たちへ向かってくる
「マイ〜、この後どこ行く〜?オレさまマイのオムライス食べたいな〜?」
「また?ふふ、いいよ。作ってあげる」
カレーを3杯食ったヤツが言うことなのか?
でも可愛いからいいや
「あの、すみません」
「ん?」
呼び掛けに応じて、私達は後ろを振り返る
すると彼らは私を見て驚いた顔をした
「マイさん!?俺、ファンなんです!サインと写真いいですか?」
「お、俺も!!」