第13章 真のチャンピオン
思わず顔を上げると、確かに映っているキョダイリザードンとダイエースバーン
禍々しいオーラを放ちながら二匹は闘い合う
「どっちが勝つんだろう……」
ゴクリと唾を飲む
この勝負の決着でローズさんの居なくなったガラルの未来が左右される
瞬きをするのも忘れる程に画面をじっと見つめる
「……!!!」
「……まじかよ……!!!!」
力無く倒れるリザードン
悔しそうに顔を歪めるダンデ
グッと拳を握ったマサル君
そう。新しい王者はマサル君となったのだ。
「……」
ちらりとキバナを見る
「うわぁ〜マジかよマジかよ……オレさま、炎上しそうな予感……!!!」
…思ったより大丈夫そう?
もっとショック受けてるかと思ったけど
「え!?待ってよ……チャンピオン交代でしょ?……ってことは、また仕事増えるじゃ〜ん!!」
あーヤダヤダ〜、と悲観的に喚くと隣からヤベェな、と小さい声が聞こえた
ピコンッ、と軽快な音がパソコンから鳴った
そしてまたピコンッ、ピコンッ、ピコンッ
嫌でもわかる。これは確実に仕事のファイルだ
鳴り止まない着信音に嫌気が差して、私はパソコンを閉じた
「キバナ、ご飯行こ」
「まだ早くねぇ?」
バッと勢いよく立ち上がった私にキバナは目をぱちくりとさせる
「馬鹿ね。飲むのよ」
「おぉ〜っ!!んじゃ、早速行こうぜ〜!!」
態度の変わり様に驚きつつ、いつものことかと納得する
仕事の事なんて考えたくない。今だけは現実逃避させてくれ