第12章 波乱のジムチャレンジ
「芸術コースまで制覇しやがって。教員免許まで所得してよお」
何に使うんだよ。という彼に、いつ廃業になるか分からないからと、と返す
「マイに出来ない事はないわけ……??」
目をパチクリさせて驚くルリナちゃんに、すごいなあ、と感心し続けるカブさん
軽くカオスな状況である
「失礼します…キバナさん、そろそろお時間です」
「おー」
そんな私たちのところへ、スタッフが訪れた。
どうやらキバナの試合始まるらしい
「じゃあな」
「頑張ってね〜」
ヒラヒラと手を振って出て行ったキバナを見送った後は3人それぞれ別行動に励む
私はスタジアムを出てフランクフルトを買いに行ったし、ルリナちゃんはそのまま控え室でバトルを観戦してたみたい。カブさんとは廊下ですれ違ったし、みんなそれぞれの時間を過ごしていたらしい
私がフランクフルト片手に控え室に戻ると、キバナがベンチに寝転がっていた
「何してるの?負けちゃったのかな〜??」
「勝ちました〜」
冗談っぽく言った私に、キバナはにやーっと笑ってピースしながら返した
「一口たべる?」
キバナの口元にフランクフルトを差し出すと、大きな口でかぶりつく
うわ、一気に半分くらい食べやがったコイツ
まあ二本目だったからべつにいいんだけどね
キバナに食べられた残りを食べながらベンチに座る
次の試合はキバナとマサル君……
どうなるんだろう………今年は異例すぎて全然予想がつかない
「なあ、マイ」
「なに?」
モニターからキバナに視線を移すと、彼はいつも通りスマホを見ていた
そして、口を開いてこう言った
「好きな奴とか、いんの?」