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*キミと出会えた奇跡*【戦国BASARA】

第6章 初めての船旅




「どうする、西海の鬼。奥州はまだまだ先だぜ?」

「面倒だが一旦船を降りるしかねぇだろうな」

「まっ、それが賢明か」

「ただ、嵐を凌ぐ場所を探さなきゃなんねぇ」

「それならイイ場所知ってるぜ」

そう言って政宗は佐助の方へ視線を向ける。


「え…ちょっと待って、俺様嫌な予感しかしないんだけど」

「どうだ猿、一宿一飯の礼でもしろよ」

「いや俺様、一飯しかしてもらってないからね?」

「細けぇ事は気にすんな。この人数なら、上田城に押し掛けるくらいなんて事ねぇだろ?」

「いやいやダメだって!つか押し掛けるってなに物騒な事言ってんの!?」

「俺も久しぶりに真田とやり合いてぇしな…」

「人の話聞こう!?」


この船に忍び込んだのが運の尽き…
佐助の抵抗も空しく、元親と政宗は目的地を上田城へと変更するのだった。





(なんだか大変な事になっちゃったな…)

元親から上田城へ寄るとの報告を受けた雪乃。
今夜中に行ける所まで船を進ませ、明日には陸地に降りるという話を聞いた。
佐助は主である幸村にこの事を報告する為、先に城へ戻ったらしい。

(猿飛さん、ちょっと可哀想だったかも…)

元親と政宗に責められていた彼の姿を思い出し苦笑いする。

(私も早めに寝ちゃおうかな…)

特にやる事も無いし、明日の為に体力を温存しておかなくては…
そう思いながら布団を敷き終わった時だった。


「…っ」

突然目の前に現れた影……小太郎だ。


「ふ、ふうまさん、驚かさないで下さいよ…」

「…まさかとは思うが…昼間の話を忘れた訳ではないだろうな」

「…?」

そう問われ、今日一日の出来事を思い返してみる。
そこで雪乃はハッと我に返った。

『今夜仕置きをされたくなければ、俺が納得するような言い訳を考えておくんだな』

…昼間小太郎に言われた事だ。
佐助に名を名乗り、手料理まで振る舞った事を彼は怒っているらしい。



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