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*キミと出会えた奇跡*【戦国BASARA】

第5章 奥州の竜







「よぉ、西海の鬼。久しぶりだなァ」

頭には三日月の装飾が付いた兜、右目には眼帯。
そして六爪と言われる6本の刀を腰に差した男、伊達政宗は予定より半日程遅れて四国へやって来た。
その後ろには彼の右腕と言われる片倉小十郎の姿もある。


「遅かったじゃねぇか、独眼竜」

「途中で嵐に遭ったもんでな」

「…で?遥々お出ましになった理由は何だ?」

「そう焦るなよ…土産も持って来たんだ。1杯やりながら話そうぜ?」

「ハッ、気が利くじゃねぇか。そんじゃあ宴の準備が整うまで適当に寛いでくれや」






(あと必要な物は…)

政宗が屋敷に到着したと聞き、雪乃は元親の部下たちと共に慌ただしく宴の準備をしていた。
広間で食事のセッティングをし、ふぅとひと息つく。

(よし、こんなもんかな…)

粗方準備を終えた雪乃は、元親に知らせに行こうと一旦広間を出た。
…と、そこへ。


「…ほぅ。こんなむさ苦しい場所に女がいるとはなァ」

「…!」

背後からした聞き覚えの無い声。
驚いて振り返れば、そこには見知らぬ男が立っていた。
けれど右目の眼帯を見た瞬間、その男が何者なのかすぐに理解する。

(…もしかして…この人が伊達政宗さん……?)

想像していたよりもずっと若い。
体の大きい元親に比べればひと回り小さく感じるが、政宗から放たれるオーラのようなものに思わず圧倒された。


「アンタ、この屋敷の使用人か?」

「え…、えーと……」

使用人かと聞かれれば若干違う気もするが、余計な詮索をされない為にも敢えて肯定する。


「それにしてはなかなか上等な物を着てるじゃねぇか」

「……、」

確かに雪乃が身につけている物は、それなりに値が張る着物だった。
「女なのだから洒落には気を遣え」という元親の計らいだ。



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