• テキストサイズ

*キミと出会えた奇跡*【戦国BASARA】

第3章 再会と約束




(…ったく、何やってんだ俺ァ)

雪乃と別れ自室に戻ってきた元親は、まだ濡れている頭をガシガシと掻き毟った。
結局朝まで眠れず、眠気覚ましの為に水浴びをしに行ったのだが…

(…まさか雪乃に出会すとはな)

昨夜の彼女とのやり取りが甦る。
いい加減な気持ちじゃなかったとは言え、勢いで雪乃に口付けをしてしまった。
彼女の驚いた顔と、ほんのり頬を染めた色っぽい表情が脳裏に焼き付いて離れない。
そんな自分は、まるで恋を覚えたての少年のようで…

(…何考えてんだ)

出会ってからまだ間もない年下の娘に妙な感情を抱くなんて、自分自身信じられなかった。

(いや、これは違うだろ…。これは恋愛感情なんかじゃなくてアレだ、可愛い妹を持つ兄貴の気分つーか…)

では何故口付けなどしたのか。
矛盾する自分の感情に頭を抱えながら、元親はしばらくその場で唸るのだった…





(なんか頭がぼーっとする…)


昼過ぎ…
屋敷の庭を掃除していた雪乃は、箒を手にぼんやり空を眺めていた。
流石に寝不足が続いたからか、先程から頭も体も重い。

(ダメダメ、寝不足なんかで仕事サボっちゃ…!)

元々真面目な彼女は自分にそう言い聞かせ、止めていた手を再び動かし始める。

けれど…


「…っ」

突然歪んだ視界。
体から一気に血の気が引いていく感覚がし、足元も覚束なくなる。

(…倒れる…っ…)

自分の意志とは反対に傾く体。
次第に目の前が暗くなり、雪乃はそのまま意識を手放した…



.
/ 108ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp