第3章 再会と約束
「俺もあと少しで動けそうだし、もう少し待っててくれねぇか?」
「わ、私の事なら気にしないで下さい!元親さんがお忙しいのは解ってますから」
「…俺が嫌なんだよ」
「…え……?」
「俺の知らねぇところで、またお前に近付く野郎がいるかもしれねぇからな」
「……、」
「…つーか」
先程より真剣な顔をした元親が雪乃の方へ近付く。
そしてその頬に手を添え…
「…風魔に何された?」
「…?」
「俺が駆け付けた時、風魔がお前に何かしてただろ」
「…!」
忘れかけていた事が頭の中で甦る。
さっきはすぐに理解出来なかったが、あれは間違いなくキスだった(ギリギリ唇ではなかったが)。
「…なに顔赤くしてんだよ」
「…!ち、違うんです!あれはそういうのじゃなくて…!」
「…まだ何も言ってねぇけど?」
「…っ」
元親の顔が恐い。
小太郎の行為は雪乃にだって理解出来ないものだった。
何故急にあんな事をしてきたのか…
「…まさか接吻でもされたんじゃあねぇだろうな?」
「…!」
「…図星かよ」
「で、でもあれは唇じゃなくて……………あ」
つい自白してしまった。
更に言い訳しようとした雪乃を元親が押し倒す。
「も、元親さん!?」
「仕置きが必要みてぇだなァ…雪乃ちゃんよォ」
「…!」
目を瞑った雪乃の額に柔らかいものが触れる……元親の唇だ。
「…風魔の事を俺に黙ってた罰だ」
「……、」
「それから…これは消毒な」
「…ん…っ、」
雪乃の唇を指でなぞった元親は、自分の唇を彼女のそれに重ねた。
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