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*キミと出会えた奇跡*【戦国BASARA】

第2章 屋敷での生活




「お、おい…!雪乃!?」

「ごめんなさっ…」

自分の意志とは関係なく溢れてくる涙。
見知らぬ土地へ来てからずっと不安だった。
これからどうすればいいのか…
自分はこれからどうなってしまうのか…

けれどそんな不安を全て受け入れると言ってくれた元親。
彼の言葉を聞いて、今まで無意識に我慢していた想いが一気に溢れてくる。


「…ありがとう…ございます…」

「……、」

泣きながら何とか言葉を紡ぐ雪乃を見て、元親は自然とその体を抱き寄せていた。


「…泣くんじゃねぇよ。そんな顔されたら、どうすりゃいいのか分かんなくなる…」

(…全く不思議な嬢ちゃんだぜ)

鬼と呼ばれる自分にこんな台詞を言わせるなんて。
初めはただ、困っている彼女の助けになれば…と思っただけだったのに。



「…落ち着いたか?」

「は、はい…」

しばらく元親の胸で嗚咽を漏らしていた雪乃は、ようやく泣き止みバツの悪そうな顔で俯いた。
涙を拭おうと目元に手をやれば、「擦るんじゃねぇ」と元親が代わりに拭いてくれる。


「あの…元親さん」

「ん?」

「…もうひとつ…聞いてほしい事があります」

「なんだ?全部話してみろよ」

その返事にこくりと頷いた雪乃は、吹っ切れたかのように言葉を紡ぎ始めた。


「まだ私自身、確証を持てた訳じゃないんですが…」

「………」

「もしかしたら私…この時代の人間じゃなくて……未来から来た人間なのかもしれません」

「…!」

突拍子もない雪乃の話に、流石の元親も面食らう。

(…未来?一体どういう事だ?)



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