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*キミと出会えた奇跡*【戦国BASARA】

第9章 忍流風邪の治し方




「…何を泣いている」

「……、」

そう指摘され、初めて自分が涙を流している事に気付いた。
それを拭おうとするより早く、小太郎に抱き寄せられる。


「は、放して下さい…!」

「…誰でもいいとは言ったが……」

「…?」

「俺が欲情するのも、抱きたいと思うのもお前だけだ」

「っ…」

(…だ…抱きたいって……)

恥ずかしげも無くそう言う小太郎に雪乃は赤面する。
溢れていた涙もぴたりと止まっていた。


「か、からかわないで下さい…!」

「…からかっているどうか…試してみるか?」

「…っ」

両頬を手で挟まれ、顔を上へ向かされる。


「俺がお前に好きだの愛しているだの言えば、お前は満足するのか?体を許すのか?」

「…そ、それは……」

何か違う気がする。
そもそも自分は小太郎の事をどう思っているのだろう…
それはいつも雪乃が曖昧にしてきた事。
彼にはいつも助けられ、それについては勿論感謝している。
けれど好きかどうか問われると急に答える事が出来なくなるのだ。


「…だんまりか」

「……、」

「…ならば俺にも考えがある」

「……え…?」

そう言う小太郎の顔が近付いてくる。
互いの鼻先が触れ合う程の距離に…


「…お前の方から俺を求めるようにさせてやる」

「んっ…」

優しく重ねられた唇。
何度か角度を変えて口付けした小太郎は一旦唇を離した。


「…接吻は好きだろう?アソコをぐちゃぐちゃに濡らす位だからな」

「っ…」

羞恥心を煽るような彼の言葉に反論しようとすれば、すぐにまた唇を塞がれる。
ぬるりと入ってきた舌が、厭らしく雪乃のそれを絡め取った。


「ふっ…ん…、」

(…ダメ…また流されちゃう……)

小太郎の胸を押し返してみるものの、その逞しい体はびくともしない。
反対にその腕を取られ、彼の首の後ろに回すよう促される。
そして彼の腕が雪乃の腰を引き寄せ、更に互いの体が密着した。
端から見ればまるで恋人同士がキスをしているようだ。



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