第6章 不思議の扉(写真家)
「ん、……ここは……」
気づくと、すごく手入れのされたバラのお庭だった。
周りを見ると、綺麗なお城がある。
ここは一体……
「ん、…… ……」
「あれ、リッパーさん……?元の姿に……」
「た、たしかなにかに引かれて、…… を外に連れ出したら……」
「ど、どこここ、……イライくん……イソップくん!?」
大声で2人の名前を呼ぶ。
「ねえ、君。」
「えっ?」
振り返ると、パシャっとカメラを撮る音がした。
古いカメラだ。布を被せて、中に頭を入れて撮るやつだ。
話しかけてきた彼は布のせいで顔が見えない。
貴族のような金色で装飾された青のふくを着ている。
「ごめんね。いきなり撮ったりして。とても綺麗な白い服に後ろ姿だったからさ。」
顔を見せた彼に私はびっくりした。
ジョ……、ジョゼフ……!?
うっわぁぁぁイケメン……
「あれ、ジョゼフじゃないですか。」
「あれ、ジャックじゃないか。こんな所に珍しい。この子は誰だい?とても綺麗な子じゃないか。」
「この子はです。それが、……この子両方の役割者なんですよ。特別天使です。先程、私とこの子にしか見えない扉を開けたらここにいました。」
「ほぅ、……両方の役割者なんてすごく珍しいではないか。」
近寄ってきて顎をクイッと上に持ち上げた。
「んっ、……」
やばいやばい。ジョゼフさんまじで近くで見たらイケメソなんだけど……
「うーん。サバイバーに染められているね。可哀想に。」
そう言って上に持ち上げられ、お姫様抱っこされる。
リッパーさんが怒りながら、
「こら!ジョゼフ、その子をからかわないでください!」
「たしか、名前はって言ってましたね。ジョゼフ……写真家です。どうぞお見知りおきを……」
私を降ろし、ひざまずき、挨拶をするジョゼフ……なんて高貴なんだぁ!!
「挨拶がてら、私とお茶でも致しませんか?お嬢さん……どうぞこちらへ。ジャックもどうぞこちらへ。」
「ついでみたいな言い方辞めてください!この子は私を選んでくれた唯一のサバイバーですよ。」
「ほぅ、……じゃあジャックはその子と……」
「い、いいからいくぞ!////」
「……////」