第10章 雨が上がった、やっと君に会えたよ【リヴァイ】
「リヴァイ!!」
大きな音を立てて開いた扉の音に驚いて振り返れば、部屋に転がるようにエルヴィンが走りこんでくる。
いつも腹立たしいほどに堂々と落ち着き払っている彼が、珍しく狼狽えて瞳を左右に揺らしていた。
何を焦っているのか。
まるで、巨人が壁を壊してやってきたかのような焦りようだ。
確かに、デカい音が俺の耳につんざいたけれど、それは、エルヴィンが俺の部屋の扉を蹴破るような勢いで開いたからだ。
超大型巨人が、壁を壊したのなら、きっともっと大きくて、残酷で、絶望的な音がする。
「なんだうるせぇな。クソでも漏れそうに———。」
「が事故に遭って、病院に運ばれた!!」
エルヴィンの焦った声が、俺の頭を殴った。
それは、俺にとって、超大型巨人が壁を蹴破った音よりも残酷に、絶望的に、響いたのだ。