第9章 What if you get scared I'll …
声が詰まって、君はとうとう、泣き出したんだ。
嗚咽を堪えるように、シャツの胸元を握りしめて、君は、唇を噛んだ。
それでも、どうしても、君には俺に伝えたいことがあるみたいだった。
だから、俺は、震える肩に手を添えて、なんとか崩れ落ちないように地面を踏む君を支えた。
少しして、君は、俺に、最後にもうひとつだけ訊ねた。
「私が、もう誰も愛したくなくて、誰かを好きになって、傷つくのが怖くて…、
だから、リヴァイを好きな気持ち、本当は気づいてても、認められなくて…っ、
それでも、リヴァイが他の誰かの恋人になるのも嫌だって…そう言ったら…?
それは勝手だって、私を突き放す?それとも、それとも…っ、」
自分を勝手だと思い込んで、不安に押し潰されそうな君の肩を抱き寄せて、俺は優しく包み込んだ。
細く華奢な君の肩は、小刻みに震えていた。
あぁ、泣かないで。
少し強めに、君を抱きしめた。
君には、俺がついてる。
いつだって、君には俺がいるから———。
「俺は、怯えてるを抱きしめて、離さない。
それに、じゃない誰かの恋人になんかならねぇから、
心配だってしなくていい。」
そして———。
俺は、君の髪を撫でながら続ける。
夜風に靡く柔らかい髪からは、甘くて優しい香りがしていた。