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【進撃の巨人】Short Story

第9章 What if you get scared I'll …


知っていた。君が、俺を追いかけるような瞳を見せる度に、全てから目を反らすみたいに背を向けていたこと。
それが、また誰かを愛することに怯えているからだということにも、気づいていた。
また傷つくのが怖いんだろう。怖すぎるんだろう。
誰だって、悲しい傷なんて、心に残したいとは思わないものだ。
君だけが特別なわけじゃない。
それに、誰だって、1度や2度は、思ったようにいかずに傷つくことだってあるさ。
でも、アイツは、君には釣り合わなかったんだ。
だって、君がどれほど美しくて、どれほど優しさと愛に溢れて、どれほど貴重な人間なのか、ちっとも理解していなかった。
君に愛してもらえることがどれほど素晴らしいことなのか、自分がどれほど幸運な男か、アイツは気づこうともしなかった。
だから、君の気持ちを蔑ろにして、自分の時間ばかりを優先した挙句に、他の女に心変わりするなんて愚かなことが出来たんだ。
それがどんな女だって、君とは比べものになるはずがないよ。
だって、君はこの世でたったひとりだし、君ほどいい女はいないから。
他の女を選んだことで、アイツは、そろそろ気づき始めてるかもしれないな。
後悔をして、自らの愚かな決断に打ちのめされて、神を恨んでるかもしれない。
でも、俺は、初めて神ってやつに感謝をしたよ。
君に、本当の愛とはどんなものなのかを知ってもらえる機会を与えてくださったのだから。

「俺にチャンスをくれ。」
「…チャンス?」
「もしも、その悲しい決断を今、ここで、俺の為に覆してくれるなら、
 俺は、の望む恋人になる。」
「私の、望む…?」
「の願いなら、何だって聞いてやる。
 どんな風に、俺にいて欲しいかを言ってくれれば、
 俺はそれを必ず叶える。」
「そんな…、私は…。」

君は、苦し気に眉を歪めてしまった。
でも、俺を見る瞳は、反らされない。
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