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【進撃の巨人】Short Story

第7章 相変わらずな君と僕【リヴァイ】


≪乗らないんですか?≫

バスの運転手の面倒くさそうな声に、俺もも答えられなかった。
呆れたのか、見捨てたのか、目的地へ向かう乗客を乗せたバスが走り去って、俺達は排気ガスの匂いが鼻と目に痛いバス停に、取り残された。

「私、いっぱい我儘言うよ。」
「知ってる。」
「すぐに怒るよ。」
「それは俺にも原因があるし、覚悟もしてる。」
「朝寝坊もするし、なんでも適当だから汚しちゃうこともいっぱいあるし、
 片付けが苦手ですぐ散らかしちゃう。」
「それは俺が得意だから問題ねぇ。」
「構ってくれないと不機嫌になるくせに、メイクを手抜きしちゃう。
 いつまでも、可愛い恋人では、いてあげられないよ。」
「それはお互い様だ。それに、そのままでいい。
 名前は、すっぴんも…可愛い…から…。」

恥ずかしくて、声はどんどん小さくなっていった。
顔が真っ赤になっていることくらい、鏡を見なくたって分かる。
今、が振り返ったら、初めてのデートの時みたいに、お互いに顔を赤くして、何も言えなくなってしまうのだろうか。
また一からやり直すのでもいい。
間違ったままで、ズレたままで、その歪みすらも愛して歩いていくのでもいい。
隣に、がいてくれるのならー。

「リヴァイも、カッコいいよ。出逢ったときからずっと変わらない。
 誰よりカッコよくて、強くて、世界で一番大好き…。」

胸元にまわる俺の腕に手を添えて、俺は久しぶりにから好きだと言われた。
あぁ、お互い様だったのだと、気づく。
俺達は、ちゃんと言葉を交わしていなかったのだ。
一番大切なことを、声にしないで、気づいてくれと勝手なことを願いながら、いつも気づかない相手のせいにしていた。
気持ちは言わなければ、伝わるわけがないのにー。
久しぶりに抱きしめたからは、いつもよりもあの香水の匂いが強く感じた気がした。



【相変わらず、素直じゃない俺達はまた喧嘩中だ。
 待ってよ。あと5秒したら、美味い紅茶を出してやるから、仲直りしよう。】


そしたら君は、「ごめんね。」てメモを貼った白猫のぬいぐるみを持ってやってきて、照れ臭そうに笑ったんだ。
そんな相変わらずな俺と君を、これからもずっと俺が守っていくから、君は相変わらず君のままでいてー。



—fin—
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