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【進撃の巨人】Short Story

第7章 相変わらずな君と僕【リヴァイ】


火にかけたヤカンを確認すると、まだ全然沸きそうになかった。
それなら、この間に昨日の夜に干しておいた洗濯を取り込んでおこうと決めて、リビングに向かう。
大きな窓を開ければ、夏を過ぎたというのにまだ蒸し暑い風が俺の身体をぶつかって流れていった。
の趣味で買った黒いサンダルを履いてベランダに出た俺は、夜の間にカラカラに渇いた洗濯物をひとつひとつ手に取って部屋に取り込んだ。
すべて取り込み終えれば、また白いサンダルの隣に並ぶようにして黒いサンダルを脱いでリビングに戻る。
毎日のように洗濯もしているから、取り込んだのもシャツにズボン、下着や靴下が少しだけだった。
さっと畳んでから、寝室のチェストに仕舞う。
それからやっとキッチンに戻った俺は、カタカタと蓋を揺らしながら、お湯を吹き出しているヤカンに気づいて目を丸くする。
慌てて火を止めようとすれば、ヤカンの持ち手に手があたってしまった。
ガチャンッと音を立てて、ヤカンが床に落ちて、沸騰した熱湯が零れた。

「熱っつ…!」

運よく身体にはお湯はかからずに済んだが、指にあたってしまって思わず手を引っ込めた。
舌打ちを打ってから、洗面所に取りに行ったタオルで床を拭けば、朝出してしまおうと夜のうちにまとめておいたゴミ袋が目に入った。
雑に詰め込まれているのは、コンビニ弁当の空箱ばかりだ。

『またコンビニ弁当?もう、それはダメ!
 今から、栄養のあるもの作ってあげるから、ちゃんと食べて。
 じゃないと、いつか身体壊しちゃうよ。』

コンビニ弁当や外食ばかりの俺に、はいつもグチグチと文句ばかりを言っていた。
あの頃は、それが俺の身体の心配をしているのだと分かっていても、面倒で仕方がなかった。
だって、コンビニ弁当や外食だって死なない程度の栄養は取れるし、あとの片付けもないから楽じゃないか。
ほら、今だって自炊をしようとして、朝の忙しい時間に無駄な掃除をしないといけなくなってしまった。
今ではコンビニ弁当を食べていても、外食続きでも、文句を言われることはない。
自由だ。だから俺は、今の方がいい。
今の方が、いいー。
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