第6章 相変わらず【リヴァイ】
身体を壊したことないから大丈夫だといつも言い返されていたけれど、もうそんなに若くないのだから、きっとあと数年もすればそんなこと言ってられなくなる。
今のうちに、食生活を見直してもらわなくちゃー。
「なんだ。言いてぇことがあるなら早く言え。」
「あぁ…!ごめん。ボーッとしてた。
寝室も見てもいい?黒猫ちゃんを置いて行ったままだったでしょ。
それで、離れ離れになったら寂しいから、白猫ちゃんも連れて帰っていい?」
「好きにすればいい。」
リヴァイは素っ気なく言って、また大好きな紅茶作りを再開させる。
ズキンと痛んだ胸を無視して、私は「ありがとう。」とニコリと微笑んだ。
寝室の扉をゆっくりと開けると、リヴァイの香りが濃くなった。
思わず息を止めて小さく首を振った後、寝室の中に入った。
奥のベッドのヘッドボードに、白猫と黒猫のぬいぐるみが仲良く並んでいる。
私が出て行った時と全く変わらないその姿が、余計に虚しかった。
毎朝起きたとき、毎晩眠るとき、リヴァイはこの2匹を見て何を思っていたのだろう。