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【進撃の巨人】Short Story

第4章 Like I used to【リヴァイ】


「-でさぁ、ミケがまた新兵の匂い嗅いで怖がらせててさ。」

実りのないハンジの話を聞き流しながら、あの頃もよくそうしていたように飲み慣れた酒を口に運ぶ。
でも、なぜだろう。すごく味気なくて、水を飲んでるみたいだ。
それなのに、酒がすぐに身体にまわってしまったようで、見なければいいのに、俺はずっとの背中を眺めていた。
あの頃の俺がよくそうしていたように、今はあの男がの為に酒を頼む。
あの頃の俺がよくそうしていたように、今はあの男がを笑わせる。
あの頃の俺がよくそうしていたように、今はあの男がの頬を撫でる。
あぁ、でもー。
ソイツは、のことを不安にさせるのだろうか。あの頃の俺がよくそうしていたようにー。
ソイツは、を泣かせたりするのだろうか。あの頃の俺がよくそうしていたようにー。
ソイツは、都合の悪い話を聞きたくなくて、言葉を遮るみたいに乱暴ににキスをしたりするのだろうか。あの頃の俺がよくそうしていたようにー。
ソイツは、会いたくて会いたくてたまらなかった気持ちをどう伝えればいいか分からずに、ただがむしゃらに抱いたりするのだろうか。あの頃の俺がよくそうしていたようにー。
ソイツはー。
ソイツはー、のことを心から深く愛しているのだろうか。俺みたいにー。

「そろそろ出ようか。立てるかい?」

俺とは違って優しい声色の男は、酒がまわってよろけるの腰を抱いて支える。
あの頃は俺に寄り掛かっていたはずのは、今は違う男の腕に手を添えて立っていた。
あぁ、そうか。
の中では、別れてからもうしばらく経っているんだろう。
簡単に心変わりをするような女じゃないからきっと、とても長い時間が経ったのだ。
でも、俺は、別れたのはつい最近のことだと思っていたんだ。
だってー。




【今でも相も変わらず、まだ君を愛してるから】




新しい恋人に抱かれた君が、思い出の場所から出て行く。
追いかけたら、何か変われるのだろうか。
振り向いた君の別れの言葉で、この恋は今度こそ、終わってしまうのだろうか。
それなら、いっそこのままー。




—fin—
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