• テキストサイズ

【進撃の巨人】Short Story

第4章 Like I used to【リヴァイ】


※第3章 It's been a while【リヴァイ】のリヴァイ目線です※


これがきっと最後だと本気で信じたあの恋が終わったのは、つい最近のことのように思っていた。
気持ちを言葉にするのが苦手な上、忙しくて会う時間すら作ってやれなかった。
不安にさせているのは分かっていても、それをどう解消してやればいいのかは知らないまま。
無邪気な笑顔が可愛らしかったが、次第に笑顔を失っていく姿を見ているのは辛かった。
このままでは本当に彼女はあの綺麗な笑顔を忘れてしまうと思って、俺から別れを告げた。
もしかしたら、引き留めてくれると願っていたのかもしれないと、今なら思う。
でも、はただ静かに頷いて、俺は漸く終わりにできるとホッとした。
あぁ、そうだ。どこにだってよくあるような恋が終わっただけのことだ。
の住むウォール・ローゼの街への出張を言い渡されたのは数日前。
もしかしたら、会えるかもしれないと期待していた。
また会えたら、俺はどうするつもりだったのだろう。
ただ、俺は、別れたのはつい最近のことのような気がしていた。
仕事終わり、少し飲んでいこうというエルヴィンとハンジの誘いに珍しく乗ったのも、あの頃は絶対に教えなかった2人でよく行ったバーに彼らを連れて行ったのも、俺だけがあの頃のままだったせいだ。

「君を他の男にとられるのは御免だからね。」
「心配しなくて大丈夫よ。私はずっとリアムが好きだもの。」
「ならよかった。」

バーにかかる音楽が、俺との想い出の曲に変わる。
は俺なんかよりも素敵な恋人の素敵な恋人になっていた。
俺が座るつもりだったはずの一番奥の席で、優しそうな男はの視線を独り占めしていた。
そうか、俺は他の男にをとられてしまったのか。
別れればそうなると気づきもしなかった俺とは違って、あの男は今のを大切にしているようだった。
エルヴィンが選んだ席が、のテーブルとは離れていたせいで、今の俺とにはそれ以上に遠い距離が出来ているのだと思い知るには充分だった。

/ 71ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp