第8章 scene2:ハートのバスタブ
「せーの♪」の掛け声で、二人で同時にバスルームのドアを開く。
「う…わぁ…」
ドアを開いた瞬間から溢れ出す湯気と、イチゴミルクにも似た甘い香りに、僕は思わず声を上げ、湯気が晴れ、見えてきた目の前の世界には溜息を漏らした。
「どう? 素敵でしょ?」
NINOに聞かれるけど、僕は返事も出来ないくらい見入ってしまって…
だってね…
タイル貼りになった壁は全面ピンクで、所々白いタイルでハート模様が描かれていて、二人で入ってもまだまだ余裕のありそうな大きなピンクのバスタブは、ハートの型をしている。
しかもだよ?
バスタブには溢れんばかりの泡が浮かんでいて…
こんなの、可愛い物が大好きなHIMEのテンションが上がらないわけがない♪
「ね、ね、早く入ろ?」
僕はNINOの手を引いた。
「くく、HIMEちゃんたら子供みたいね?」
だって、だってぇ〜♡
「いいわよ、入りましょ? でも、その前にちゃんとシャワー浴びなきゃね?」
え〜、そんなぁ…
「だってほら、HIMEちゃんのここ…」
そう言ってNINOの手が僕の太腿をツルンと撫でる。
「HIMEちゃんが出したミルクで汚れてるもの(笑)」
言われて僕は視線を自分のお股に向けると、そこには確かに僕が大量に出したモノがこべり付いていて…
「えっ…? あ、やん…」
僕は思わず膝と膝を擦り合わせるようにして、汚れてた部分を隠した。
なのにNINOは、その場に膝を折ったかと思うと、今度は僕のお股の間に手を突っ込み、
「それにここも…、ね?」
さっきまでNINOの“立派過ぎる子”で塞がれていた部分を、指でツプンと押した。