第7章 scene2:ピンクのお部屋
「動いて?」
NINOの熱を含んだ息が僕の耳に吹きかかる。
「えっ…?」
そして戸惑う僕の頬を両手で包み込むと、僕の唇をペロリと舐める。
「どうしたの? 出来ないの?」
「それ…は…」
「出来るわよね、HIMEちゃんですもの…」
出来るもん…
もっと…、今以上に気持ち良くなれるなら、何だって出来るもん。
でも…
「キス…して? HIME…、“お姉ちゃん”がキスしてくれなきゃ、頑張れないの…」
お・ね・が・い♡
「くく、本当に我儘な子ね、HIMEちゃんは…」
「駄目?」
「駄目じゃないわ。でも、私のキスが欲しかったら、HIMEちゃんからしてごらんなさい?」
僕、が…?
NINOに…キスを…?
そんなこと、出来るわけ…あるわよ♪
だってHIMEだもん。
もっと気持ち良くなりたいもん。
僕はNINOの背中に両腕を回したまま、ゆっくりと距離を縮め、真っ赤なNINOの口紅に、僕のピンク色の唇を重ねた。
薄く上下に開いた唇を舌で押し開いてやると、まるで僕がそうするのを待っていたかのように、NINOの舌が僕の舌に絡んで来て…
僕達はカメラが見ている前で、お互いの舌の感触を確かめるように、そしてお互いの味を確かめ合うように、ぴちゃぴちゃと唾液を混ぜ合った。
「ふっ…ぁ…」
初めて…かもしれない。
堪えきれない吐息がNINOの口から零れたのは…
僕はゆっくりと…
僕達が結んだ糸を切らせないよう、ゆっくりと唇を離すと、
「“お姉ちゃん”、大好きよ…」
そう耳元で囁いてから、静かに腰を上下し始めた。
最初はゆっくり…、時間を追うごとに早く、乱暴に腰を浮かせては、NINOの“立派過ぎる子”に向かってお尻を落とした。