第35章 scene37:僕達のParty Starters!
あ、そうだ…
「ね、それ交換して貰うからさ、だから一緒に行かない?」
今日…は無理だけど。
でも、僕が自分の好みで選ぶよりは、翔くんに好きなのを選んで貰った方が良いもんね?
だって、ずっと使う物だもん。
「そうしよ?」
うん、その方が絶対良いって…、そう思ったんだけど…
「いいから…」
翔くんはなかなか”うん”って言ってくれなくて…
「で、でも翔くんこーゆーの好きじゃないでしょ? だったら…」
「だから…、そうじゃなくて…」
え…?
「これが良い…っつーか、これじゃないと嫌だっつーか…」
ねえ、それって…?
「ありがとう、すげぇ嬉しい」
「本当…に?」
「だって智が俺のためにって選んでくれたんでしょ?」
うん、そうだよ?
選んでる間中、ずーっと翔くんのことばっか考えてた。
髪もしっかりセットしちゃってさ、ビシッと真新しいスーツに身を包んだ翔くんの姿を、ずーっと頭の中に思い描いてた。
好きな人のために何かを選ぶってことが、凄く楽しくて、幸せな時間だった。
それで、沢山ある中で”これだ”って思える物を見つけた瞬間、凄く胸が弾んで…
気付いたら、恥ずかしいとか全然関係なく、翔くんの好きな色の包装紙で包んで貰って、帰り道なんてずっとスキップしてたっけ(笑)
だから翔くんに喜んで貰えたのが、堪らなく嬉しい。
「あ、ねぇ、結んで上げる」
「お願いしても良い?」
「うん♪」
僕は翔くんからネクタイを受け取ると、襟を立てた翔くんの首に回した…、けど…
あ…れ…?
ちょっと待って?
「どうかした?」
「んと…、あの…さ…」
「うん…」
「ネクタイって、どうやって結んだら良いの?」
「え…?」
自分から結んで上げるって言ったものの、良く考えたら僕、ネクタイって自分で結んだことないし、結び方も良く知らないんだった。
あ~ん、僕のおバカ♡