第35章 scene37:僕達のParty Starters!
「あの…さ、時間は?」
暫く両腕をしっかり組んで、ずっと考え込んでいた翔くんが、眉間にシワを寄せたまま僕を見た。
怒ってはいないみたいだけど、納得はしていない…ってお顔してる?
「んと…、11時から17時まで…かな…」
本当夜とかの方が、深夜手当も付くから、お金のことを考えればその方が良いんだけど、そうすると翔くんとの時間が無くなっちゃうし、それこそ翔くんが心配するだろうと思って、店長さんに交渉した結果がこの時間だった。
「で? 週何勤?」
「んと、月水金の3日間かな…」
僕としては平日毎日入れたら良かったんだけど、他のバイトとの兼ね合いもあって、それは叶わなかった。
「ダメ…かな?」
「ダメも何も、もう決めてきちゃったんでしょ?」
それはそうなんだけどさ…
「だったら俺が言うことは何もないんじゃないかな?」
え…、やっぱり怒ってる?
「あの…さ…」
「但し条件がある」
言いかけた僕を遮るように、翔くんが僕の手を握る。
「条件…て?」
…ってゆーか、僕達まだ一緒に暮らし始めてもないのに、僕がバイトするのも条件付きなの?
え、翔くんがとっても心配性なのは知ってたし、思った以上に嫉妬深いのも気付いたてはいたけど、案外束縛するタイプだったりする?
出来れば僕、自由でいたいんだけど…
でも、翔くんだったら束縛されても良いかなぁ…、なんて最近思いだしちゃってる僕♡
「条件て難しいこと?」
「全然難しいことじゃないよ。安心して?」
よっぽど僕が不安そうなお顔をしてたんだろうね、翔くんが僕の髪をそっと撫でてニッコリ笑った。
その笑顔を見て、ホッとする僕。
良かった、怒ってはいないみたい♪
「条件は二つ…」
翔太郎が僕の目の前に、まるでVサインでもするみたく、指をピッと二本立てた。
ってゆーか、二つも条件あんの?