第34章 scene6:HIMEは君の中にずーっといるよ♡
「あ、ねぇ、今からデートしない?」
「今から? 良いけど…?」
ふふ、決まり♪
僕は床に散らばった服をクリアケースに適当に突っ込むと、Tシャツの上からネルシャツを羽織り、財布とスマホだけを突っ込んだリュックを背負った。
「ねぇ、出かけるって、どこ行くの?」
いそいそと支度をする僕に、翔くんが首を傾げるけど、そんなの関係な〜い♪
「ほら、行くよ?」
僕はソファの背もたれにかかっていた翔くんのジャケットを手に取ると、戸惑う翔くんの腕を引いた。
そのまま部屋を出て、エレベーターでエントランスまで降りて、マンションを出て道路に出た僕達は、どちらともなく手を差し出し、しっかりと握った。
凄く…ドキドキした。
初めてなんだもん、こんな風に恋人と手を繋いで、外を歩くなんてさ…
そりゃさ、ジロジロ見てくる人もいるし、後ろ指を差す人だっているけど、翔くんと一緒なら全然気にならない。
寧ろ、僕の彼氏こんなに格好良いんだぞ、ざまーみろって感じ?(笑)
「ねぇ、どこ行くのか、いい加減教えてくんない?」
「ふふ、だ〜め。着くまで内緒だよ♪」
「なんだよそれ(笑)」
だって今バラしちゃったら、着いた時の喜び半分になっちゃうでしょ?
ま、翔くんが喜んでくれれば、の話なんだけどね?(笑)
僕達はしっかり手を繋いだまま、地下鉄に乗り込んだ。
やっぱり人目は気になるけど、翔くんと一緒だから全然平気。
ってゆーか、翔くん堂々とし過ぎ(笑)
エレベーターでは僕の腰を抱いて、まるでお姫様みたいにエスコートしてくれるし、キスでもしちゃいそうな距離感でお顔を寄せて来るし…
もう…、僕その度にドキドキしちゃって(笑)
でも目的の場所に着いた時、凄ーく驚いたお顔と嬉しそうなお顔を繰り返す翔くんを見たら、ドキドキもどっかへ飛んで行っちゃったんだ。
あ、でも手はしっかり繋いだままだけどね?(笑)