第34章 scene6:HIMEは君の中にずーっといるよ♡
きっと凄い勇気がいったと思う。
だって自分の特殊な性癖を告白するなんてさ、とっても恥ずかしいことだし、受け入れて貰えなかった時のこと考えたら…、怖くなっちゃうもん。
でも翔くんは僕のために…
僕との関係を続けて行くために…
ここまで僕のことを強く想ってくれた人、今までいなかったかもしれない。
「だからさ、俺は智くんと手を繋いで歩くことも、街中でキスすることだって、全然恥ずかしいと思わないし、なんなら見せびらかして歩きたいくらいだよ(笑)」
え?
「俺の恋人は、起きてんのか寝てんのか分かんないきらい、たまにボケーッとしてるし、ちょっとしたことで不安になって、すぐ泣きそうな顔するし、おまけに素直じゃないし、その度に俺を困らせるけどさ…、でも…」
翔くんが僕の肩を抱き寄せ、上向いた僕の額に唇を押し付ける。
ってゆーか、翔くんてば僕のことそんな風に思ってたんだね?
全くハズレでもないけど、ちょっと酷くない?
「“でも”…、なに?」
「ん? ああ、うん…。俺の恋人はこんなに可愛いんだぞ、ってさ…自慢したいっつーかさ…」
え?
今何て言ったの?
「ねえ、もう一回言って?」
「自慢したい…ってとこ?」
もぉ…、そこじゃなくてさ…
「その前だよ、何て言ったの?」
もう一回聞かせて?
「可愛い…ってとこ?」
「うん、そこ」
ふふ、翔くんが僕のこと可愛いって言ってくれた♪
それが何だかとっても嬉しくて♡
だってね、HIMEの時に可愛いって言われることは多くても、普段の僕を可愛いって言って貰えることなんて、本当に少ないんだもん。
だから凄く嬉しい。
まあ…、普通に僕と同じくらいの年代の男の子なら、可愛いとか言われたって喜ばないとは思うけどね?(笑)
「翔くん、好き…」
「え、どうしたの急に(笑)」
急でも何でも、言いたくなっちゃったんだもん、僕は翔くんが好きだって…
大好きなんだ、って…