第34章 scene6:HIMEは君の中にずーっといるよ♡
僕の実家とは真逆の、静かな朝食タイムを終えて、翔くんのお母さんが洗濯しておいてくれた自分の服に着替えた僕は、翔くんのお父さんとお母さんにお礼を言ってから、翔くんのお家を後にした。
翔くんのお母さんは、翔くんが帰って来るまでお家にいても良いって言ってくれたけど、いじけたまま家出しちゃったお部屋のことが心配で…
だって、ベッドもぐちゃぐちゃだったし、ご飯食べた後のお皿だってそのままだったしさ…
散々なことになってるもん。
流石にそのまま何日も放置しておくのはちょっと…ね。
それにしても…
翔くんのお家から僕のマンションまでって、けっこう距離あるのね?
それに最寄駅からもそこそこあるし…
これじゃ翔くんがお家に帰るの面倒臭がるのも無理ないかも。
借りる時は、和のお部屋から近い所って思ったけど、こんなことならもっと翔くんのお家に近い所にしておけば良かった。
あ、でもちょっと待って?
今すぐって訳でもないし、いつになるかも分かんないけど、僕達一緒に暮らす約束したんだよね?
だったらその時は、翔くんのお家に近い所にすれば良くない?
でもそうしたら和のマンションから遠くなっちゃうし…
あ、丁度中間に辺りで探せば良いか…
ふふ、なんだか楽しくなって来ちゃった♪
先のことを想像してクスリと笑った丁度その時、僕のお尻でスマホがブルッと震えた。
翔くんからかも!
面接終わったら連絡くれるって言ってたし♪
僕はルンルン気分でスマホを確認すると、思った通り翔くんからのメールに、一言だけ「お疲れさま」と返した。
勿論、でっかい♡マークもそえて♪
そしたらさ、翔くんたら…ふふふ(笑)
僕が送ったのよりも、更に大きな♡マークをいくつも送ってくるんだもん。
僕、電車に乗ってることも忘れて一人でニヤニヤしちゃって(笑)
周りの人の白い目にちょっぴり肩を竦めた僕は、そーっとスマホをポケットに突っ込んだ。