第34章 scene6:HIMEは君の中にずーっといるよ♡
強い決意を胸に違ったところで僕の意識は途切れてしまったみたいで…
ドスン…と、まるで地震でも起きたみたいな音に、僕は驚いて飛び起きた。
胸をドキドキさせながら隣を見ると、あった筈の翔くんの姿がどこにもなくて…
「しょ…くん…?」
僕が名前を呼ぶと、ベッドの下からにょきっと手が伸びて来て…
え、え、え、もしかしてお化け?
…なわけないか(笑)
「痛ってぇ…」
「大…丈夫?(笑)」
「まあ、何とか…」
ふふ、翔くんたら相変わらず寝相悪過ぎ(笑)
僕は翔くんの手を掴んでベッドに引き上げると、どうにも堪えられなくなって、お腹を抱えて笑った。
「そんな笑う?」
「だって翔くんの頭…、ぷぷぷ(笑)」
知ってたけどさ、翔くんが寝相悪いのも、寝癖が凄いのも知ってたけど、改めて見るとやっぱり面白い(笑)
「つか、智くんだって相当よ?」
え、僕?
僕はそんなことは…ない筈!
…だったんだけどな…
自分の頭を触って驚いた。
だって髪の毛ってゆー毛の全部が、上に向かって立ってて(笑)
「え、や、やだぁ…」
慌てて毛布を頭から被るけど、もう手遅れで…
「くく、酷いでしょ? つか、おはようのキスさせて?」
僕の頭から簡単に毛布を引き剥がしてしまった翔くんが、広げた両手で僕を包み込んだ。
「おはよう、智くん」
「おは…よ…」
ちょっぴり照れながら、そっと瞼を閉じた僕の唇に、翔くんの柔らかな唇が重なる。
「ふふ、何か変な感じ(笑)」
「何が?」
「何か分かんないけど、変な感じなの(笑)」
そう…、キスなんて何度もしてるのに、翔くんのお部屋で一緒にに朝を迎えてからのキスは、いつもとちょっぴり違う気がする。
「何だよそれ(笑)」
「だって本当に分かんないんだもん…」
何がどう違うのか分かんないけど、何かが違うって感じたんだもん。