第34章 scene6:HIMEは君の中にずーっといるよ♡
ベッドの上に胡座をかいて、両腕を組んで、難しいお顔をして考え込む翔くん。
僕はそのお顔を見て、翔くんも僕の蕾ちゃんが緩くなっていることに気付いているんだと思った。
だって僕は“挿れられる側”だからそうでもないけだ、“挿れる側”の翔くんは、きっと僕以上に感じる
筈だもん。
だからてっきり翔くんも…って思ってたんだけど…
どうやら違ったみたいで(笑)
翔くんガッチリ組んでいた腕を解くと、パッとお顔を上げてから、僕のお顔を両手で挟んだ。
「良い事思いついちゃった♪」
って声を弾ませながら。
「良い事…って?」
「あのさ、俺今就活中でしょ?」
「うん…」
でもどこも不景気なのか、翔くんみたいに頭も良くて、常識とかもちゃんとある人でも、思うように内定が貰えないって…
大変なんだ、って…
「だからさ、一緒に暮らさない?」
へ?
いや、ちょっと待って?
蕾ちゃんが緩くなる、って話からどうしてそこに話が飛ぶのか、さっぱり分からないんだけど?
「勿論、すぐに…ってわけにはいかないかもしんないけどさ、俺の就職が決まって、大学も卒業して、親にも頼らず、ちゃんと自分の足で歩けるようになってからの話なんだけど…さ」
え、え、ちょっと待って?
嬉しいよ?
凄く嬉しいし、そうなれたら凄く幸せだと思う。
「そしたらさ、何も気にせずにセックスも出来るし、それに…智くんとずっと一緒にいられる」
「う、うん…、それは確かにそうだけど…」
でもそれとこれとは話が別…じゃない?
「俺さ、別に緩くなろうが、究極…かもしんないけど、もし智くんのナニが勃たなくても、全然平気だよ?」
え…?
「エッチ出来なくても良い…の?」
「まあ…、出来るにこしたことはないけど、何もセックスだけが全てじゃないし…。俺は智くんが傍にいてくれたら…それだけで嬉しいから…」
そう言って翔くんが僕の額にそっとキスをしてくれた。