第34章 scene6:HIMEは君の中にずーっといるよ♡
クンクンと、まるで犬みたいに僕の首筋の匂いを嗅ぐ翔くん。
その度に鼻息が首筋は勿論、耳にもかかって、擽ったいよりも、何か別の感覚が湧き上がって来る。
僕はそれを翔くんに気付かれないように、必死で平静を装おうとするけど、翔くんはやっぱり敏感で(笑)
「くく、感じちゃった?」
「ち、違う…もん…」
本当はね、全然違うくないけどね?
でもそれだって翔くんはしっかりお見通しで…
「そうだよね、智くん耳弱いもんね?」
なんて言いながら、僕の耳にわざと息を吹きかけて来る。
もお…、そんなことされたら僕…、我慢出来なくなっちゃうじゃん…
ってゆーか、だめ!
息だけ(…でも良くはないけど)ならともかく、耳たぶをハムハムしかけた翔くんを、僕は思いっきり腕を突っ張って押し退けた。
翔くんは“何で?”ってお顔をしてたけど、やっぱ翔くんのお父さんもお母さんもいるのに、これ以上はヤバい…じゃん?
翔くんにそのつもりがなくても、僕はダメ。
お風呂上がりの翔くんが近くにいるだけで、興奮…ではないんだけど、もう胸がドキドキしちゃって大変なんだもん。
「したくないの?」
「したいよ? したいけどさ…」
「じゃあしよ?」
「ダメ、絶対ダメ!」
「何で? したいんでしょ?」
したいよ…
凄くしたい…
僕の息子くんだって、とーってもワクワクしてるよ?
でもさ、やっぱりダメだよ…
「だって昨日もしたじゃん?」
「うん。でも昨日は昨日じゃない?」
もぉ…、それって屁理屈じゃん?
「あのね、そんなに毎日毎日エッチしてたら、僕の蕾ちゃんガバガバになって、ユルユルになっちゃうけど、それでも良いの?」
実際、お仕事してた時でも感じてた、皮膚が引き攣れるような痛みや、圧迫感とか…、そーゆーのをあまり感じなくなって来ちゃってる。
それってさ、やっぱり緩くなってるってことじゃん?
だからこれ以上緩くなるのは…ねぇ?