第34章 scene6:HIMEは君の中にずーっといるよ♡
ユラユラと…、まるで揺りかごに揺られてるみたいにフワフワとして、とっても気持ち良くて…
もっとこのフワフワを感じていたいなぁ…
なんて思ってたら、突然僕の身体がトランポリンらでもしてるみたいに弾んで…
えっ…?
ゆっくり瞼を持ち上げると、そこには大好きな人のお顔があって…
夢か現実か分からない状態の中でも、僕の胸がドクンと大きく脈打った。
「しょ…くん…?」
「ん?」
「どうして翔くんがこんなに近くにいるの?」
それに夢の割には随分ハッキリとしてるし…って、もしかして夢じゃない?
「くく、寝ぼけてるでしょ?(笑)」
あ、そっか…、僕寝ぼけてるのか…
ってゆーか…、え?
「ご、ごめん…、僕、ちゃんと起きて待ってるってお約束したのに、寝ちゃってたみたい…」
ちょっとだけ…のつもりが、夢まで見ちゃうレベルでしっかりと…
「本当だよ…。智くんが待ってる…と思って、超速攻で風呂上がって来たのに、寝てんだもんな…」
だって翔くんがいなくなった途端、急に眠くなってきちゃったんだもん…
仕方ないじゃん?
「寂し…かった?」
戻って来た時、僕が寝ちゃってて、寂しかった?
「そりゃもう…、寂しいなんてもんじゃなくて、泣きそうだったよ…」
え、そんなに?
泣きたくなっちゃうほと寂しい思いをさせてしまったかと思うと、何だか凄く申しわけない気持ちになって来て…
「ごめ〜ん…」
俯いてしまった僕を、翔くんがムギューッと抱きしめる。
うっ…、ちょっと苦しいかも…
でも…
「ふふ、翔くん凄く良い匂いがする」
多分シャンプーの匂いだよね?
僕も前に借りたことあるから分かる。
「そう? 俺は智くんの匂いの方が好きだけどね?」
僕の…匂い?
「あ、香水の匂い?」
「うーん…、智くんの使ってる香水の匂いも嫌いじゃないけど、なんつーか…」
そう言って翔くんが僕の首筋に鼻先を寄せた。