第34章 scene6:HIMEは君の中にずーっといるよ♡
翔くんが部屋を出て行ってから、広い部屋に一人きりになった僕は、改めて部屋の中をグルリと見回した。
元の色がどんなだったか分からないくらい、壁にギッシリと貼られたポスターの数々。
DVDの購入特典だったり、雑誌のピンナップだったり、中にはショップ(ちょっとエッチなお店ね)用の告知ポスターまである。
どんだけ好きなんだよ(笑)
こんなだから、僕が嫉妬しちゃうんじゃん?
今度来る時は、HIMEのポスター全部剝がして、代わりにでっかく引き伸ばした僕の写真でも貼ってやろうか…
ふふ、翔くん怒るだろうな(笑)
なんたって翔くんご自慢の”HIMEルーム”が僕で埋め尽くされちゃうんだもんね?
あ、でもやっぱりだめ。
だって、HIMEなら…まだ同じ”僕”でも耐えられるけど、僕が”僕”に見られながらエッチするなんて…
考えただけでも恥ずかしいし、そもそもそんな気持ちにもなれないような気がする。
うん、やっぱりやめよう。
翔くんの怒ったお顔は…ちょっと見てみたいけどね?(笑)
「なーに一人でニヤニヤしてんの?」
えっ…?
「あ、あ、あの、え…?」
「さっきから、一人でニヤニヤしたかと思うと、急に真顔になったりしてさ…」
え、ちょっと待って?
いつから見てたの?
ってゆーか…
「いつ戻って来たの?」
僕、全然気が付かなかったけど?
「うーん、けっこう前…からかな」
マジですか…
ってことはさ、僕が一人百面相してるの見られてたつまてことだよね?
や〜ん、もぉ恥ずかしい…
「あ、そんなことよかさ、お袋が朝飯何が良いかって…」
え?
「パン派か米派か、どっちだって…」
「んと…、ご飯が良い♪ んとね、お味噌汁があって、海苔とかあって、それから卵かけご飯とかして…」
普段はめんどだからパンで済ませちゃいがちなんだけど、本当は僕そーゆーのが好きなんだ。
「分かった、頼んどく(笑)」
翔くんが、お家の中なのにスマホでお母さん二メールを送る。
…ってゆーか、翔くんその待ち受けって…