第34章 scene6:HIMEは君の中にずーっといるよ♡
「まあ…、嫌われてはいないと思う…つか、すげぇ気に入られてると思うよ?」
翔くんが言いながら僕の髪を優しく撫でてくれる。
ふふ、気持ち良い♪
ってゆーか…
「どうしたの? 眠たい?」
「…うん」
ずっと緊張してたせいか、ピーンと張り詰めていた緊張の糸が切れた途端、睡魔が襲って来ちゃったみたい。
「どうする、泊まってく?」
「うぅ…、でも…」
ご挨拶に来て、そのままお泊まりとかって、どうなの?
やっぱ良くないよね?
「僕、帰るよ…」
少し考えてから言うと、翔くんは僕の手を握って、それから僕の頭を自分の肩にコツンと乗っけた。
「もう遅いし、送って行こうにも、俺も親父も飲んじゃったから、車出せないし…」
「い、いいよ、歩いて帰れるし…」
翔くんはともかく、翔くんのお父さんにまで迷惑はかけらんないもん。
「そうじゃなくてさ、俺が心配なの」
え?
「こんな時間に智くんを一人で帰して、もし何かあったら…」
翔…くん…?
「俺、きっと生きていけないと思うからさ…」
大袈裟だよ…ってさ、言いたいよ?
でもさ、翔くんの目が凄く真剣だから、とてもそんなことは言えなくて…
「じゃあ…、お言葉に甘えちゃおう…かな…」
翔くんの手を握り返しながら、ボソッと…本当に一人言みたいに呟いた。
すると、翔くんは凄くホッとしたお顔をして、「良かった」って言ってから、僕の額にチュッとキスをした。
「あ、でも僕、着替えも何も持ってないよ?」
「それなら大丈夫。俺の貸すし、なんなら親父のでも…」
え、まさかステテコとか?
え、ラクダ色のシャツとか?
「あ、あの、翔くんの貸して?」
翔くんも決してセンスが良いとは言えない方だけど、ステテコやラクダ色のシャツを着るよりは、うんとマシだもん。
「分かった(笑) じゃあ、俺、お袋に言ってくるね?」
「うん」
翔くんが僕の髪をサラッと撫でてから、ゆっくりと腰を上げる。
でも…
「ごめん、忘れ物」
え…、って見上げた僕の唇に、翔くんの唇が重なった。
もぉ…、翔くんたら…
やっぱり好き♡