第34章 scene6:HIMEは君の中にずーっといるよ♡
何か…、ムカつく…
だってさ、“元HIME”の僕が隣にいるってゆーのにさ、手だって伸ばすことなく触れられる距離なのにさ、たかだかポストカード一味にそんなに夢中になる?
ってゆーかさ、僕のこと忘れてない?
「ねぇ、翔くん…僕お腹空いた」
誰かさんが朝もはよからサカルもんだから、朝ごはんも食べ損ねちゃったし…
もうお昼だって過ぎたし…
「ねぇ、ハンバーガー食べに行くって言ってたでしょ?」
「うーん…、ハンバーガーはまた今度にしようかな…。俺、カップ麺でも何でも良いよ」
はあ?
ちょっと待って?
お互いブー太郎さんの身だし、贅沢は辞めようねって言いながらも、たまには外食だってしたいって翔くんが言うから、お手頃価格のハンバーガーショップでランチをしようってなったのに…
言い出しっぺは翔くんでしょ?
なのに「カップ麺で良いから」ってさ…、意味わかんないよ。
もぉ…こうなったら…
「で? そのまま家出して来ちゃった…、ってわけ? 自分の家なのに?」
「だってえ…、ムカついちゃったんだもん…」
そう…、僕はHIMEに夢中になって、僕のことを構ってくれない翔くんに腹を立てた結果、自分のお家であるにも関わらず家出をして、でも行く宛てなんてないから和のマンションへと転がり込んた。
ふふ、徒歩圏内の場所にマンション借りといて良かった♪
「智の気持ちも分からなくもないけどね?」
「でしょ? 翔くんたらさ、僕のことなんて全然眼中にないんだもん…」
こんなに僕がお腹を空かせているってゆーのに、カップ麺作れとか言うしさ…
「それで寂しくなっちゃったんだ?」
「べ、別に寂しいとかじゃなくて…」
否定はしないけどさ…
僕はただ、僕のこともちゃんと見て欲しかっただけだもん。