第7章 scene2:ピンクのお部屋
「ねぇ、HIMEちゃん?」
「なぁ…に…?」
ずっとキスで口を塞がれていたせいか、答える声が掠れた。
「私のお願い、聞いてくれる?」
NINOの黒髪サラサラロングヘアが僕の頬の上をサラリと滑る。
「お願い…って…?」
胸に顔を埋めた僕の髪と背中を撫でながら、NINOが僕を見下ろす。
「あのね、私…HIMEちゃんが一人でスルところが見たいの♪」
「えっ…?」
一人で…って、つまりその…僕が僕を自分で…ってこと?
「い、いや…、そんなことHIME出来ない…」
「どうして? あ、もしかしてHIMEちゃん、自分でシタことないとか?」
「そうじゃない…けど…」
そりゃあるよ?
最近“智”がお友達になった櫻井君に比べたら、きっと回数はかなり少ない方だと思うけど…
金髪クルクルツインテールを揺らし首を横に振る僕を、NINOが不思議そうに長い睫毛を瞬かせて首を傾げた。
「だって…、HIME…恥ずかしいもん…」
NINOだって…、それに監督さんや他のスタッフさん達も見てるのに、その前で…なんて…
HIME…恥ずかしい♡
…って、こんなお仕事しておいて言うのもなんだけどね(笑)
「じゃあこうしましょ?」
拒む僕に、NINOは食い下がることはせず、背中を撫でていた手を更に下へと下ろした。
「HIMEちゃんのパンティ見せて?」
「え? HIMEのパンティ…を…」
「そ、パンティ♪ それくらいなら恥ずかしくないでしょ?」
「う、うん…」
下着を見せるだけなら…、恥ずかしさは半減かも…
僕はNINOの胸に凭れ掛かるようにしていた身体を起こすと、フカフカベッドの上で膝立ちになった。
そしてスカートの裾を両手で摘むと、たくし上げるようにしてスカートを腰の辺りまで捲り上げた。
カメラがNINOの背後…、僕の正面に回った。