第7章 scene2:ピンクのお部屋
「宜しくお願いします♪」
二人手を繋いだまま、その場にいた監督さんやスタッフさん全員に頭を下げた。
心做しか、スタッフさん達の目が♡になってるように見えるのは、僕の気のせい?
でもぉ…、もし本当にそうなら、僕達がそれだけ“可愛い”って事だよね♪
「じゃあ…、二人共ベッドの上に向かい合わせに座ってみようか?」
「はーい♪」
国分監督の指示通り、僕達はピンク色のベッドカバーが掛けられたベッドに、向かい合わせに座った。
「あ、HIMEちゃんスカートの裾、捲れてるわよ?」
「え、あ、ホントだぁ…」
「くく、私が直して上げる♪」
言いながら、NINOが僕のスカートの裾を目いっぱい広げる。
そうだよね、せっかくのフンワリスカートなのに、裾が捲れてちゃ台無しだもんね?
「ありがと♡」
「どういたしまして♡」
何だかNINOって、本当のお姉ちゃんみたいだ♪
ま、その“お姉ちゃん”に僕はこれから抱かれるんだけどね?(笑)
「よーし、始めるよ? お姫様達の準備は良いかな?」
ふふ、お姫様だって(笑)
ちょっと嬉しいかも♪
「宜しくね、HIMEちゃん」
「こちらこそ宜しくお願いします♪」
お互いに顔を見合わせてニッコリ笑い合う。
そしてそのタイミングを見計らったかのように、国分監督の「スタート!」の声が飛んだ。
と同時に、僕達のスイッチもオフからオンに切り替わった。
NINOの華奢だけど柔らかい両手が僕の頬を包み、そのまま引き寄せられるようにお互いの唇が重なる。
今回の撮影は、相葉さんの時のような台本なんて無いから、特別演技をする必要もなく、僕達は自由にお互いを愛することが出来る。
長瀬曰く“イメージビデオ”的な感じなんだってさ。
ま、どっちにしても僕達がすることって言ったら…、一つだけなんだけどね?(笑)