第7章 scene2:ピンクのお部屋
撮影の準備が着々と進む中、僕とNINOは天蓋付きの二人がけソファに並んで座った。
背凭れがハートの形になってて、とってもラブリーで可愛いくって…
何だか、ちょっぴりお姫様になった気分♡
「HIMEちゃんて、相葉さんと共演したんだよね?」
「はい、ついこの間…」
「どうだった?」
「どう…って?」
「決まってるでしょ? 気持ち良かったか、ってことよ?」
あっ…、そういうこと?
「んとぉ…、気持ち…良かった…かな…」
やん…、恥ずかしい♡
本当はね、お仕事なんだから、気持ち良いとか気持ち良くないとか…、そんな風に思っちゃいけないんだろうけどね?
でも本音だもん、仕方ないよね?
相葉さんと共演したのは一週間も前のことだけど、あの時の感覚は僕の身体にまだ生々しく残ってる。
「そっかー、それ聞いたら相葉さんきっと喜んじゃうね? 相葉さん、せっかくHIMEちゃんとアドレス交換したのに、連絡貰えないって残念がってたからさ(笑)」
「えっ…?」
相葉さんが…?
ってゆーか、どうしてNINOが僕と相葉さんがアドレス交換したこと知ってんの?
顎に人差し指を当てたまま、首を傾げる僕を見て、NINOがクスクスと肩を揺らす。
「くく、相葉さんから聞いてない? 私と相葉さん、実はね…」
NINOが言いかけた時だった。
「よ〜し、NINOちゃんHIMEちゃん、そろそろ始めようか?」
国分さんがどこから持ち込んだのか、メガホン片手に僕達を手招きした。
「行こ?」
先に腰を上げたNINOが、僕に向かって華奢な手を差し出す。
でも僕は話の続きが気に入なってたせいか、中々その手を取ることが出来なくて…
「ほら、早く♪ 話の続きは後でちゃんとして上げるから、ね? 今はお仕事に集中しましょ?」
NINOに強引に手を引かれ、小さく頷きながら腰を上げると、やっぱり強引に手を引かれるまま、カメラの前に立った。