第33章 scene6:君だけのHIME…にして?
きっと翔くんは知ってるんだよね、僕がそうされると感じるってことを…
だからしつこいくらいに僕のオッパイばかり攻めてくる。
気持ちイイ…よ?
すっごーく、気持ちイイ…
お股がムズムズしちゃうくらい…
小さなパンティが窮屈に感じるくらい…
気持ちイイ。
でも同時に焦れったさも感じていて…
だってさ、翔くんたらさ、ずーっとブラジャーの上からクニクニするだけでさ、全然直に触れてくれないんだもん…
そりゃ…、いつもよりパット薄目だから、直に触れられてる感覚には、割と近かったりもするんだけど、それでもやっぱり僕は、翔くんの指に直接触れて貰いたいし、舐めてだって欲しい。
僕はオッパイを揉み揉みする翔くんの手を掴むと、翔くんの目をジッと見つめて、静かに首を横に振った。
「どうしたの?」
「あの…ね…、……………欲しい…の…」
「え…? 何て言ったの?」
僕の声がちゃんと聞き取れなかったのか、翔くんが首を傾げる。
ってゆーか、本当はちゃんと聞こえてるんでしょ?
翔くんの目を見れば分かるもん。
「だか…ら、…って…?」
「うーん…、もうちょっとハッキリ言ってくれる?」
あーもぉ…、翔くんてばどうして損なに意地悪するの?
僕はプゥッと頬を膨らませると、絶対真っ赤になっているであろうお顔を背けた。
そして、
「オッパイ…、直に触って欲しい…の…。それから…舐めて欲しい…」
やっとの思いでそれだけを言うと、僕は両手でお顔を覆った。
凄く恥ずかしかったんだもん…
そりゃさ、撮影の現場でなら言い慣れてる台詞だけど、今はお仕事中でもないし、僕はもう“彗星の如く現れた男の娘アイドルHIMEちゃん”じゃない。
“大野智”ってゆー、どこにでもいる平凡な男の子なんだもん。