第33章 scene6:君だけのHIME…にして?
半分本気で、半分冗談のつもりだった。
でも翔くんて素直なんだろうね?
「買うよ、今すぐは…難しいけど、いつか絶対智くんにでっかいダイヤモンド贈る。だから、すげぇ時間かかるかもしんねぇけど、それまで待っててくれる?」
え…?
「あ、勿論、智くんが俺に愛想尽かされなきゃだけど…」
ふふ、それを言ったら僕も同じだよ?
僕って、元々適当な方だし、なのにけっこう頑固なとこもあって、凄く面倒臭い人間だから、僕の方が翔くんに愛想尽かされちゃうことだって、もしかしたらあるかもしんないもん。
それに僕思うんだ。
今のこの“翔くんが好き”って気持ちは、きっとどれだけ時間が経っても変わらないって…
この先、僕達に何が起ころうと、ね?
「ねぇ、抱いて?」
「え? で、でも、気分悪いんじゃ…」
うーん…、確かにまだムカムカは続いてるんだけど、それ以上にムクムクの方が強くなってるんだよね(笑)
「いいから♪ だって初夜するんでしょ?」
「それは…そうだけど…」
僕が“初夜”って言葉を口にした途端、翔くんのお顔がボンッと赤くなる。
ふふ、相変わらず照れ屋さんなんだね?
「ね、僕なら大丈夫だから、初夜しよ?」
「う、うん…」
あ、でもちょっと待って?
僕はベッドの上に正座をすると、三指を着いて額をシーツにピターッとくっつけた。
「え、さ、智…くん?」
(お顔は見えないけど…)翔くんは戸惑った様子で、僕の頭を上げさせようとするけど、僕はそれに負けることなく頭を下げ続けた。
そして、
「えと…、ふちゅちゅか者ですが、宜しくお願いします」
“初夜と言えば…”な台詞を口にした。
ただ、慣れない言葉を使ったせいか、カミカミになってしまったけど(笑)