第32章 scene6:僕はHIME…
仕切り直しの一歩目で躓きながらも、どうにかこうにかバージンロードを歩ききった僕達は、お互いのお顔を見合わせて笑った。
だってさ、ほんの数メートルの距離なのにさ、ビックリするくらいの時間かかっちゃったし、なんだかとっても疲れちゃったんだもん(笑)
だから“やった〜♪”ってより、“ホッとした”…ってのが大きかったのかな…、自然と笑えて来ちゃったんだ。
でも…、これからどうすれば?
普通の結婚式なら、神父様やら牧師様やらがいて、永遠の愛を誓い合って、それから指輪の交換して、それからそれから…キス、したりしてさ、胸キュンプラス感動の儀式が続く筈なんだけど、見渡す限り神父様の姿も、牧師様の姿もない。
まあでもこれは本番ではないし、予行練習みたいなもんだもんね?
本当はもうちょっと花嫁さん気分味わいたかったけど、これ以上を望んだらバチが当たる。
ほんの一瞬でも、僕は凄く幸せだったんだし…
僕は暫くの間翔くんと見つめ合ってから、長瀬さんやら斗子さんと並んで座るNINOを振り返った。
そしたらさ、NINOは…相変わらずな感じだっつんだけど、隣りに座っていた相葉さんが、ビックリするくらい号泣してて(笑)
更にその隣に目を向けると、サングラスはかけたままだけど、松本さんが相葉さんに負けないくらいの大号泣をしてて…(笑)
相葉さんが涙腺弱いってのは知ってたけど、まさか松本さんまでとは思わなくて、驚きのあまり僕の腰が抜けそうになった。
「ったく、潤兄ぃときたら、いっつもああなんだから…。イメージも何もあったもんじゃないよね(笑)」
確かに(笑)
松本さんのファンが見たら、きっと今の僕みたいに驚くだろうね?
だって僕が知ってる松本さんは、人前では絶対涙なんて見せないタイプだと思ってたから。
まあ、僕の勝手な想像なんだけとね?(笑)