• テキストサイズ

H・I・M・E ーactressー【気象系BL】

第31章 日常16:僕の彼氏を紹介します


なのにさ、僕のそんな思いも粉々に砕くように、

「ごめん…、送っちゃったわ…」

なんてさ…シレッと言うもんだから、僕のお顔は赤を通り越して青くなる。

「送ったって…、いつどこで? 誰に何を…?」

おかげで、まるで小学生の作文みたいな質問を投げかけてしまう僕…

いや、聞かなくたって予想は出来てるよ?

なんならさっき僕のスマホも、遠くの方ではあったけど、リュックの中でピコンて音がしたから…

でもさ“でも”だよ?

僕は(良くないけど…)良いよ?
自分の裸なんて見慣れてるし、声だって…当然聞き慣れてるから…

違うのは、そこに映ってるのが、“HIME”の姿をした僕
じゃなくて、“智”の姿をした僕…ってことだけなんだけどさ、それが大問題なんだよ…

翔くんのことだから、きっとそんなことはないって思ってるけど、比べられちゃったりしたらさ…、やっぱりHIMEの方が良いなんて思われちゃったらさ、僕悲しいもん。

「ねぇ、それって取り消せないの?」

「出来なくもないけど、もう手遅れ…かな。もう既読付いちゃったし」

え、嘘…
じゃあ翔くんも見ちゃった…ってこと?

「そんなぁ…」

僕がガックリと肩を落とすと、

「ねぇ、何がそんなに気になるの?」

和が缶に残っていたビールを一気に飲み干し、眉間に深ーい皺を寄せて僕を見る。

ってゆーか…、怒って…る?

「これを見たからって、翔くんが智のこと嫌いになるとか、そんなこと思ってる?」

「それは…、でもさ、翔くんは元々HIMEが好きだったわけだからさ…」

どうしたって比べちゃうと思うんだ。

翔くんは僕がHIMEだから好きになったわけじゃないって、ちゃんと言ってくれたし、勿論その言葉に噓はないって信じてるけど…

でもさ…
/ 753ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp