第31章 日常16:僕の彼氏を紹介します
「だからさ、翔くん本人は意識してなかったかもしれないけどさ、元々素質って言うのかな…、あったんだと思うよ?」
そこまで言うと、和は空になった缶を手にキッチンに向かい、冷蔵庫を覗き込んだ。
そして新しいビールの缶を手に僕を振り返ると、
「どうする、もう一本飲んじゃう?」
僕と同じ男の子のわりに、超可愛い笑顔でウィンクを一つした。
ってゆーか、和ったら自分が飲みたいんでしょ?(笑)
だったら僕も…
「ふふ、付き合うよ♪」
こんな機会、お互い恋人がいたらなかなか持てないもんね?
「それにしても、翔くんて凄い絶倫タイプなのね?」
和が僕にキンキンに冷えた缶ビールを差し出しながら、とんでもないことを言うから、アルコールとは別の意味で僕のお顔が赤くなる。
なのに和ったら、
「だってさ、これ見てよ」って、ただでさえ赤くなったお顔が、更に赤くなるような動画を見せてくるんだよ?
しかもだよ?
「ね、ね、ねぇ…、これって…、まさか…」
差し出されたスマホのが画面に映ってるのは、明らかに僕と翔くんだし、なんなら僕達の背景になってる景色にだって見覚えがある。
「ねぇ、本当に撮ってた…の?」
あの時は翔くんとのセックスに夢中になっていたし、気付いてはいたけど二人の手からスマホを取り上げるだけの余裕もなかったし…
だからすっかり忘れてたんだけど、まさか本当に撮られてたなんて…
「だってさ、二人共凄く盛り上がってたし、HIMEじゃない状態で翔くんに抱かれてる智、HIME以上に可愛かったからつい…、ダメだった?」
「だ、駄目も何も…、翔くんは知らない…よね?」
出来れば翔くんには見せて欲しくない。
確かに和が言う通り、HIMEじゃない僕も、十分可愛いとは思う(自分で言うか!)けど、やっぱり巣の状態で感じまくってる自分を見るのは、やっぱり恥ずかしい。