第31章 日常16:僕の彼氏を紹介します
四人で晩ご飯を食べ、仕事に出かける相葉さんと、ちょっぴり寂しそうな翔くんを玄関で見送り、僕と和は缶ビールを手にソファーに並んで座った。
翔くんのことは、相葉さんが仕事に行くついでに車で送ってくれるらしいから、安心だしね♪
「久しぶりじゃない、こうして二人でゆっくり話すのって…」
確かにそうかも…
「温泉旅館での撮影以来? あ、そんなこともないか…」
「うーん…でも、いっつも誰かいたし、二人きりってのはなかったかも…」
それに僕自身、お引越しをしたり、父ちゃんが怪我したせいで実家に帰ってたりで、意外とバタバタしてたし…
実際、ゆっくり出来る時間はあんまりなかったかも。
「でもさ、本当に良かったね?」
ん…、何が?
「翔くんと付き合えることになって」
あ、なんだそのことをね?
「うん。僕ね、正直言うと、無理かなって思ってたの」
「何で?」
「だって翔くんは元々ノンケだしさ…」
普通に考えて、元々ゲイの僕と元々ノンケの翔くんが、恋人として付き合うなんてさ、無理ってことはないんだろうけど、奇跡に近いんじゃないかって思ってたし…
「まあね…、でも私は最初っから”脈アリ”って思ってたけど?」
え、そう…なの?
「根拠はないんだけどね? 何となく”勘”っていうかさ、あったんだよね」
「そうなんだ…?」
やっぱり和の勘は良く当たる。
僕なんて、テストのヤマ勘ですら当たったことないのに(笑)
「大体さ、ノンケって言うけどさ、全くのノンケが、いくら見た目女の子だからって、”男の娘”見てアソコ勃たせたりする?」
た、勃たせるって…(笑)
「本当にノーマルな人間だったら、反応するどころか、拒絶反応示すんじゃない?」
言われてみれば確かにそうかもなんだよね…
これまで僕が好きになった人って、大抵が告白する以前の問題だった門。
男が男を好きのなること自体が、”気持ち悪い”ってさ…