第31章 日常16:僕の彼氏を紹介します
「足開いて?」
シェービングフォームの缶を振りながら、和が床にペタンと胡坐をかいて座る。
僕は後ろにひっくり返ってしまわないように、しっかり両手で縁を掴んでから、両足を開いた。
「ちょっとヒヤッとするけど、我慢してね?」
「うん…」
僕が頷くと、和が僕のお股にシェービングフォームの缶を向け、プシューッと泡を吹き付けた。
途端にモコモコの泡で包まれた僕のお股は、まるでサンタさんのお鬚のようで、なんだかクスリと笑ってしまう。
「こら、動いたら危ないでしょ?」
「はぁい…」
そうだよね、手元が狂って、大事な息子くんまでチョキンてされちゃったら、大変だもんね?
今度こそ、本当の血の海になっちゃう。
僕はなるべく息をするのも我慢して、縁を掴んだ手に更に力を入れた。
すると、お股に宛がったカミソリが、ジョリッと奇妙な音を立てて、モコモコの泡と一緒に、僕のお股の毛を剃り落とした。
前もそうだったんだけど、まだ短かいとは言え、あった筈の物が無くなると、やっぱりスースーする。
「後ろはどうする?」
シャワーで残ったシェービングフォームの泡を流し、剃り残しが無いことを確認した和が、洗面器でカミソリを洗いながら言う。
けどさ、前は自分でも見れるけど、後ろがどうなってるかなんて、僕には全く分からない。
分かるのは…、翔くんくらいのもんじゃん?
「僕じゃ分からないから、和が見てくれる?」
僕は縁から降りて床に両膝を着くと、和に向かってお尻を突き出した。
「くくく、仕方ないわね」
和が再び缶をシャカシャカと振りながら、僕のお尻の割れ目を指で押し開く。
さっきまで翔くんの息子くんが挿っていたせいか、皮膚が引き攣れるような…ピリッとした痛みが走って、僕は思わず唇をキュッと噛んだ。
和もそれが分かったのか、シェービングフォームの缶を振っていた手を止めた。