第31章 日常16:僕の彼氏を紹介します
しっかり鑑賞モードになってるのか、相葉さんは翔くんのお尻を隠していたクッションを取り上げると、それを床にポンと置いて、そこにドカッと腰を下ろした。
「えっと…、この状況は…一体…?」
どうやら状況が飲み込めてない様子の翔くんの視線が、相葉さんと僕の間を行ったり来たりする。
そりゃそうだよね…、僕だってこの状況には戸惑いしか感じないんだもん。
なのに相葉さんときたら、想像しただけで前が窮屈になったのか、ハーフパンツの前をずらして、しっかり元気になった息子くんをポロンと出しちゃうし…
当然、DVDでしか見た事のない相葉さんの、超ロングサイズな息子くんの実物を目の当たりにした翔くんの目は、まるでトンカチで打ち付けたみたいに釘付けになって…
「しょ、翔くん…?」
放心する翔くんの目の前で手をヒラヒラさせると、漸く我に返ったのか、
「と、と、と、とりあえず服を…」
前を隠していたシャツを頭から被った…ってゆーか、それ僕のだってば…
「えー、しないの?」
相葉さんが残念そうな声を上げた、丁度その時…
玄関のドアが開く音がして、それから「ただいま…」と和の声が聞こえて、僕達は同時にお顔を見合わせた。
だって和がこの状況を見たら…、絶対怒るじゃん?
翔くんはともかくとして、相葉さんはさ…確実じゃん?
「ね、早く仕舞って?」
僕はベッドから飛び降りると、丸出しになった相葉さんの息子くんをハーフパンツの中に押し込んだ。
でもさ、
「いててててて…」
相葉さんが情けない声を上げた瞬間、お部屋のドアがバーンと開いて…
買い物袋を下げた和が、それはそれは恐ろしいお顔で僕達を睨みつけた。
そして氷よりも冷たーい声で、
「説明してくれる?」
と一言だけ言うと、ゲームをする時に使うんだろうね、随分と使い込まれた座椅子に胡座をかき、両腕を組んだ。