第31章 日常16:僕の彼氏を紹介します
「つまり、私が中々戻らなくて、不安になった智は、下半身丸出しのままで部屋から出て、そこで櫻井くんと会った、ってことね?」
和がお買い物に行ってる間に起きたことを、なるべく事細かに説明して聞かせると、和は漸く組んでいた腕を解いた。
でもどうしても納得出来ないことがあったみたいで…
少しだけ緩んだと思ったお顔の筋肉を再び強張らせて、首を傾げた。
「櫻井くんが智のあられもない姿を見て盛っちゃったのは、まあ仕方ないとして…、なんで雅紀までいるわけ?」
そりゃそうだよね…、どう考えたっておかしな状況だよね…
「智が雅紀を引き込むってことはまず考えられないし…」
うんうん、僕そんなことしないよ?
相葉さんは和の恋人だって知ってるし、それに僕には超が付く程嫉妬深くて、でもって僕のことが大好きな翔くんがいるもん。
だから相葉さんを誘うなんてこと、絶対に有り得ない。
「ってことはつまり…、雅紀お前…」
和が今にも飛びかかる勢いで腰を上げ、相葉さんの胸ぐらを掴んだ。
え、え、え、ちょっと待って?
まさか殴り合いに発展する…とかじゃないよね?
え、僕、白いのなら見慣れてるけど、赤いのはちょっと苦手なんだけど…(←何を言ってるんだ!)
「ね、翔くん…、どうしよ…」
僕が和に変なことお願いしちゃったから、こんなことになってるんだよね…?
絶対僕のせいじゃん…?
なのに翔くんたらさ、
「どうしようも何も…、気にすることなくね?」
なんて能天気なこと言うんだもん…
こんなにも僕が自分を責めているのにだよ?
僕は翔くんに頼るのは諦めて、血の海を見る前に喧嘩を止めようと、二人の間に割って入ろうとした…、けど…
あ…れ…?
んと…、これは一体どゆ…こと?
え、喧嘩するんじゃないの?
え、何でキスしてんの?
え、ええ…?